横浜市は戸塚区に新築住宅を購入されたお客様よりガラスコーティングのご依頼をいただきました。

上の家族3人揃っての写真は施工後に撮らせていただいたものです。あいにくのお天気で雨が降ったりやんだりでしたがきれいに仕上げることができました。

奥様とはこの写真を撮影するまで何度もメールにてやり取りしたものです。そんななか、とりわけ奥様を悩ませたのは当社にとっては競合関係になる、あるフロアコーティング業者の勧誘にありました。一般ユーザーの皆様はもちろんのこと当社にとっても業界にとってもマイナスしかないこの勧誘方法について今回はお話させていただきます。

不安に陥れ自社への申込みを誘引する営業マン

その業者は以下のようなことをお客様に告げたそうです。いただいたメールの文面そのまま以下に紹介いたします。

他社より「同床材は特殊な加工品のため、UVコーティング以外で施工の際、剥がれやムラなどの不具合リスクが高くございます。弊社であれば施工は万全で、仮に不具合が発生した際も保険対応可能です。」
と言われたのですが、ガラスコーティングを行っても大丈夫なのでしょうか。

こんなふうに言われると一般のお客様なら不安に駆られる方も多いことでしょう。しかし、よくよく読み込んでみると何を持って「UVコーティング以外での施工では不具合リスクが高いのか?」、「弊社(その業者)なら施工は万全なのか?」疑問符がつきますよね。

長年フロアコーティングに携わっている私の経験や知識からいうと、これらは詭弁といっていいものです。詳しく解説いたします。

同床材というのはノダ社のナチュラルフェイスSJというフローリングです。大手フローリング会社が製造する一般商品であり特注品でもなんでもありません。特殊な加工というのは同床材のクリア塗装であるフラットハードコートを指していると思われますが、この表面仕上げはフロアコーティング会社のなかで施工不可としている会社はありません。なかにはコーティングがくっつきにくい密着性に難のあるものも確かにありますがフラットハードコートには当てはまりません。

「UVコーティング以外で施工の際…」という部分に関してもやはりおかしなこというなという感じが否めません。基本的にどんなタイプのフロアコーティングでも剥がれやムラなどの不具合リスクは同様です。そもそもUVコーティングというのは工法の種類を指します。主剤に紫外線硬化する触媒を含めた塗料を塗り、その後に紫外線照射する塗装方法のことです。したがって使用される塗料は様々なのです。多いのは油性ウレタン塗料ですが、他にも水性塗料やシリコーン塗料のUV塗料もあります。紫外線照射するUV塗装ならどんな塗料でも不具合はおきないのでしょうか。残念ながらUV塗装にそんな魔法は備わっていません。当社でもUVコーティングは行いますのでよくわかります。

「弊社であれば施工は万全で…」というのも好意的に解釈すると自身の現れと言えるかもしれませんが、自分で言うぶんには何とでも言えますよね。しかも施工は万全なのに、仮に不具合が発生したら保険会社が尻拭いしてくれるアピール。よくそんな矛盾したことを言えるものだなと思います。

ちなみに保険というのは請負工事賠償責任保険のことでしょうけど、私たちのような施工会社ならおおむね加入しております。私の知る限りでは未加入業者はいません。さらにいうと未熟なスキルゆえの施工不良は賠償の対象になりません。

相手の資質を見定め、一般常識を働かせる

お客様を不安に陥れた営業行為が営業マン個人の資質によるものか、会社の方針なのかはわかりません。しかしながら少しでもこの人おかしなことを言うなと思ったなら、まともに取り合わないように注意ください。自分の知らない専門的な事柄が入ると、つい信用しがちですが一般常識を働かせると今回のケースもおかしいということがわかるはずです。

フロアコーティング業界は10年しかもたないコーティングに20年保証するとか、おかしな慣習がまかり通るような古い体質が残っています。たいていの業者は優れた技術を備え、公明正大な営業をしていますが一部のならず者には気を付けなくてはいけません。