一昔前のフロアコーティングというと(10年前くらいの話です)エマルジョンタイプの水性ウレタンコーティングが主流でした。それからUVコーティングやシリコンコーティングが台頭してきましたが、それらと比較すると現在主流になりつつあるガラスコーティングは段違いの床保護効果です。

その高い性能を誇るガラスコーティングについてフロアコーティングの変遷を交えて解説いたします。ぜひお読みください。

フロアコーティングの変遷とガラスコーティング

最初はエマルジョン型の水性ウレタンコーティングでした

エマルジョンというのは樹脂を水に乳化させた塗料ですが現在の油性塗料にとって替わる環境配慮型の水性塗料と比較するとまだまだ性能はワックスに近いようなものでした。

そのため床保護効果は塗膜の厚さに依存するような感じです。塗膜自体はそれほど硬度がありませんから、塗膜が犠牲となって傷ついたり、摩耗することで大事なフローリングを守るのです。

キレイな光沢感がでるコーティングですが、床保護効果という意味では確かに有効なのですが問題はフロアコーティング塗膜自体に傷や摩耗が生じることです。これではお客様からするとちょっと残念ですよね。

UVコーティング・シリコンコーティングの台頭

そこで台頭してきたのがUVコーティングです。UVコーティングは紫外線に反応して硬化する触媒を加えた油性ウレタン塗料を使用するフロアコーティングです。従来のものよりも高価でしたがインターネットを中心に長期保証を付帯して販売されると多くのお客様から支持されました。

次いで市場にやってきたのはシリコンコーティングです。UVコーティングが高すぎるというお客様へ2番めの選択肢として業者のフロアコーティング・ラインアップに加わりました。

UVコーティングとシリコンコーティングはどちらも石油系溶剤をベースにした塗料を使用しています。旧来の水性ウレタンと比べると塗膜硬度も高く、塗膜自体の厚みもあります。そのため、よりフロアコーティング塗膜に傷や摩耗が生じにくくなりました。また厚い塗膜は強い光沢感につながりテカテカとした艶は品質の現れという捉えられ方が当時はなされていました。

ちなみに本当のことをいうと塗膜硬度はUVコーティングと比べてやや安価なシリコンコーティングのほうが高いです。シリコンコーティングは塗膜硬度が高く、なおかつ塗膜の厚みもありますから施工次第では塗膜が割れるというトラブルもありました。

UVコーティングは紫外線を照射する機材が施工に必要となり、そのぶん値段が高くなります。というよりも高価格を正当化しやすいということかもしれません。ホンネをいうとそもそも工場で塗装した部品などを紫外線照射している所に通すという使い方をするものです。本来は動かすのは塗装した物であり、紫外線照射器のほうを動かすというのはイレギュラーな使い方です。

そしてガラスコーティングの時代に…

そして最も新しくフロアコーティングの世界に登場してきたのがガラスコーティングです。常温液体ガラスといって高炉で溶かすことなく常温で扱えるシリカ溶液を主体にした塗料です。原材料は珪酸ということで窓ガラスのガラスと同じなんです。窓ガラスが汚染されないのは無機質だからなのですが、ガラスコーティングも無機質を含みますので汚れは付きづらいです。(ただし完全な無機質ではありません)

もっともユーザーであるお客様にとって優れた性能はフロアコーティング史上最硬度の塗膜にあります。JIS規格の鉛筆硬度試験ではUVコーティングの約2倍の数値がでます。したがって家具の擦れやお子様のイタズラなどでの傷つきが生じにくいのです。

フロアコーティングの耐久性はイコール使い減りの度合いですから傷や摩擦に強いガラスコーティグはもっとも耐久性があるといえます。

塗料のベースは石油系ではなくアルコールですからニオイもシンナー臭ではなくわずかにお酒のような臭いがするまでです。環境にも人体にも優しい環境対応型塗料といえます。

唯一、人によってはマイナスとなる要素は光沢感です。超高硬度な塗膜ですが塗膜自体は薄いのです。そのため艶はやや控えめです。ここは人によりけりですが、場合によっては物足りない艶感かもしれません。当社の例でいうとほとんどのお客様は自然な艶感をむしろ評価いただいています。

ああっ、あと一つ申し上げなければなりません。それは入居されているお住いでは施工が難しいことです。塗布してから歩行可能な状態まで乾燥するのに12時間程度かかります。在宅のフロアコーティングは一晩外泊いただく他ありません。(※在宅コーティングは2液硬化型水系ウレタンのフロアプロテクトAPがおすすめです!)

逆に言うと新築時や中古物件を購入したら、入居前にガラスコーティングすることをご検討ください。