フロアコーティングには各社独自に様々なブランド名称がつけられていることが多いのですが、本当の性能は使用している塗料種類によります。フロアコーティング塗料という塗料種類は存在しません。一般的にはウレタン塗料やシリコン塗料、無機系ガラス塗料などが使用されるのです。

それらの塗料種類によって特長が異なります。例えばコーティングした後に形成する塗膜の硬度の違いにより床保護効果などが変わってきます。塗料種類によりコーティング剤の原価も違いますので、フロアコーティングとしての価格も違ってきます。

フロアコーティングの種類はパンフレットやホームページなどの資料をよく読むと、たいてい記載があります。必ず確認しましょう。よくわからない場合は大切なことなので必ず問い合わせるようにしてください。

フロアコーティングの種類を比較

フロアコーティングの種類は現在ほぼ表に記載した7つに集約されます。右に記載した欄はそれぞれのコーティング種類の主成分、溶剤、塗料型、臭気、価格帯です。

 種類主成分溶剤塗料型臭気価格帯※注1
 ガラスコーティングシリコーン油性1液型アルコール臭    5  
 シリコンコーティングシリコーン油性1液型シンナー臭
 UVコーティングウレタン油性紫外線硬化型シンナー臭
 油性ウレタンコーティングウレタン油性1液型シンナー臭
 水系ウレタンコーティングウレタン水性2液型・1液型ほぼ無臭
 水性ウレタンコーティングウレタン水性1液型ほぼ無臭
 アクリルコーティングアクリル水性1液型ほぼ無臭

※注1 価格帯は5段階表示で5が最も高価で1がもっとも安価を意味します。

用語解説

【主成分】
フロアコーティングの塗膜として残る樹脂成分のことです。ただし、安全データシート(MSDSともいう)に記載している名称と異なる場合もあります。例えばシリコーンなら○○シランや○○シロキサンなどと記載されている場合もありますが、それらは記載に採用した名称が違うだけでシリコーンと同義です。

【溶剤】
塗料は主成分である樹脂を有機溶剤や水に溶かしたものです。従来は油性といえばトルエンに代表されるシンナー類、水性といえば水を溶剤として利用した塗料を指したのですが最近はそう単純ではなくなってきています。

油性といっても、灯油に近い炭化水素やアルコール系のブタノールといった弱溶剤が使われることが多くなっています。一方、水性といっても微量の有機溶剤が含まれることもよくあります。

表では油性と水性に分けましたが水性塗料の技術開発は目覚しく、以前ほどは両者の分類が意味をなさなくなってきています。

【塗料型】
1液型というのはボトルからそのまま使用する塗料です。一方、2液型は本剤と硬化剤が別になっていて使用するときに混ぜ合わせます。一般的にはより多くの樹脂が含まれている場合が多いです。

紫外線硬化型は塗料の中に紫外線に反応して硬化する触媒がはいっています。本来は工場の生産ラインで利用する技術ですがフロアコーティングでは現場に紫外線照射器を持ち込み作業します。

【臭気】
工事中および完全に溶剤が揮発(もしくは蒸発)するまでの臭いのことです。ご覧のとおり水性タイプはほぼ無臭ですが油性では、それぞれ含まれる溶剤の臭いがします。

【価格帯】
おおよその目安として捉えてください。もっとも高価なガラスコートともっとも安価なアクリルコートの差は2倍前後です。中間の水系ウレタンコートとでは1.5倍前後だと思います。

フロアコーティングの価格相場は?

フロアコーティングを真剣に検討している方にとって、重要なことは予算の面ではないでしょうか。ということで全力をあげて現在の各フロアコーティングの価格帯を調査してみました。おおよそ以下の価格がインターネットでのフロアコーティング各社の標準的な価格帯のようです。

ちなみにハウスメーカーやマンション販売会社などの仲介業者が間にはいると2~3割は価格が高くなります。

条件:新築(未入居・家具搬入前)30平米(約18.7畳)の税別価格

ガラスコーティング180,000円~200,000円
シリコンコーティング140,000円~160,000円
UVコーティング160,000円~200,000円
油性ウレタンコーティング130,000円~150,000円
水系ウレタンコーティング140,000円~160,000円
水性ウレタンコーティング70,000円~100,000円
アクリルコーティング50,000円前後

けっしてお安くはない価格ですが、フロアコーティングの場合、耐久年数がガラスコーティングやシリコンコーティングでは20年前後、水性ウレタンコーティングでも7年前後と大変長持ちするものです。また、維持費などもかかりません。

フロアコーティング種類、選び方のヒント

フロアコーティングを検討するときに重要になってくることの一つがフロアコーティングの種類です。それぞれ特徴が異なるゆえ、このようにたくさんの種類のフロアコーティングがあるのです。

床保護性能、耐久性、光沢感、予算、床材との相性など等、フロアコーティングを選ぶ際にはいろんな要素が絡み合います。

例えば、育ち盛りの男の子3人とペットの犬がいる5人家族+1と、ご高齢のご夫婦2人家族ではフロアコーティングに求められるものが異なるケースが多いです。

あるご家庭では最適なフロアコーティングでも、ある家庭では他のものがよいということがあり得ます。予算にもよりますので出来る事なら信頼のおける業者に相談して決めたいものです。

個別のフロアコーティング種類については”フロアコーティングの種類”カテゴリー、フロアコーティングを選ぶ際のヒントについては”フロアコーティングの選び方”カテゴリーをご参照ください。