大建工業サンロードアート施工後 

大建工業のサンロードアートへのフロアコーティング

サンロードアートとはフローリングメーカーの大建工業が製造するフローリングの品名です。

一般ユーザー向けに販売されている商品ではなく住宅メーカーなどの施工会社へ卸す商品となっています。いまや、新築マンションや建売住宅において圧倒的多数のシェアを占める人気の床材です。

今回この記事で取り上げる理由は、サンロードアートへのフロアコーティングにおいて不具合が発生することが多いという話をよくお客様や同業の知人などから聞くからです。いったいあ、どのような不具合かといいますと、大別すると以下の2つがあげられます。

  • フロアコーティング剤が密着しないなどの塗膜形成不良
  • 事前清掃において使用する水によるフローリングの変形

このような不具合の発生を避けるためフロアコーティング会社によってサンロードアート床材は施工不可としてお断りをするところもあるようです。

確かに不具合発生率が高い場合はお断りするというのも誠実な対応だと思います。一方、施工が可能としている会社もあります。

それはどういうことなのでしょうか。この記事で詳しくなるべくわかりやすく解説してみたいと思います。

サンロードアートの構造

サンロードアート断面サンロードアートのなかでもいくつか仕様の違いはあるのですが、そのいずれもが床材表面の部分がオレフィンシートに木目模様をプリントしたシートフローリングです。

基材にあたる表面以下の部分は木質材が何層にも重ねられた複合フローリングの構造をとっています。その木質材のひとつがMDFというもので、サンロードアートへのフロアコーティングを難しいものにしている重要な要素です。

MDFは生長が早く容易に再生できる樹種を極めて細かく裁断し、再び接着剤などを含めて成型したボードです。一般的には、丈夫で寸法の狂いなども少ない、ローコストな木質材とされています。

このような構造のフローリングはそれほど珍しいものではありません。オレフィンシートを化粧板に使用したフローリングは今では数え切れないほどあります。MDFも多くのフローリングに使用されていいます。

ただし、この両方が備わったフローリングはあまり多くないということはいえます。

 不具合が発生する理由

不具合が発生するとしたら、その原因は構造にあるようです。シートフローリングまたはMDFという要素がフロアコーティングの際に問題となることが多いようです。詳しくは以下に述べますのでご参照ください。

 フロアコーティング剤が密着しないなどの塗膜形成不良の原因

サンロードアート床材の表面に施されたクリア塗装と相性のよくないフロアコーティングがあります。

クリア塗装とは
クリア塗装とはフローリング表面を保護するための透明な薄い膜のことです。フローリングの製造過程で行われる塗装です。

表面が木材の床材ではクリア塗装には一般的に油性塗料が使用されます。一方のサンロードアートでは水系塗料が使用されます。EBコートという電子線を照射する特別な塗装技術を用いて水系塗料をクリア塗装としてフローリング表面に施してあるのです。

塗膜形成不良の原因は
この点がサンロードアートへのフロアコーティングで塗膜形成不良をおこす大きな原因となります。

水系塗料の上から油性塗料を塗ると、油性塗料に含まれる有機溶剤の溶解力でクリア塗装を溶かしていく作用をする場合があります。

こうなると、ひどい塗り斑が生じたり、床材への密着が弱く剥がれたりすることがあります。

油性塗料の上から水系塗料を塗る分には、このような現象はおきません。弱い溶剤の上から強い溶剤の塗料を塗ることでおきるのです。

水系塗料も完全硬化するとなかの水分や微量の有機溶剤は空気中に放散され、残るのは樹脂成分のみとなります。そうなると理論上は水系も油性も同じですが製造されてからの期間や気温・湿度等の条件により水系塗料の上から油性塗料を塗ると不具合をおこすことがあります。

油性塗料を使用するフロアコーティング
フロアコーティングで油性塗料を使用するものは、UVコーティングやシリコンコーティングがその代表となります。これらのフロアコーティングをサンロードアートへ施工したい場合は必ず業者へ施工の可否を確認してください。

水系や水性のフロアコーティングでは溶剤が原因の塗膜形成不良による不具合はありません。もともと水系塗料が塗られているのですから水系ウレタンコーティングなどは相性のよい組み合わせといえます。

 事前清掃において使用する水によるフローリングの変形の原因

フロアコーティングでは下地調整といって新築住居のフローリングであっても入念な清掃を行います。その際に使用した水がフローリングの隙間から基材へ侵入するとフローリングの左右が波打つように変形することがあります。

フローリングに水が浸み込むと
フローリングはそもそも水に弱いものですから、大量の水を使用したり、長時間水に晒したりはしません。それでも変形してしまうのは、どうやら基材の一部に使用されているMDFに水を吸い込む性質があるようです。

水を吸い込んで変形した場合は乾燥すると元通りになることも多いのですが、サンロードアートでは元通りにならないこともあるようです。

フロアコーティング会社の対策
フロアコーティング会社により水の使い方は千差万別です。多量に使用する会社もあれば少量しか使用しない会社もあります。水を使用した後、自然乾燥させる会社もあれば乾拭きしたり、ウェットバキュームという掃除機のようなもので吸い込んだりする会社もあります。

ポイントとなるのは水の量とフローリングを濡らしている時間ですから工夫次第で水によるフローリングの変形は避けることが不可能というわけではありません。

 フロアコーティング各社の対応

マイクロスコープと床材ちなみに当社では水系ウレタンのフロアコーティングが主ですから塗膜形成不良による不具合はありません。フローリングの変形についてはサンロードアートが出始めた初期の頃、不具合を生じさせてしまったことがありますが、現在では下地調整の方法を全面的に見直すことで全く不具合は生じなくなりました。

他社においてもサンロードアートへの対応策は講じられている会社はすでに講じています。当社同様に下地調整方法を見直したり、場合によっては使用塗料を水系に変更したりといった対策が取られています。

サンロードアートへのフロアコーティングをご検討中の方にとっては、未だ施工不可としている会社もあることはありますので不安に思うかもしれません。

しかしながら、施工可能としている会社は社内検査を重ね対応策を講じているわけですから文字とおり、そのように受け取って大丈夫だと思います。

 まとめ

サンロードアート床材へのフロアコーティングは施工不可としているフロアコーティング会社もあります。それは、たびたび塗膜形成不良やフローリングの変形といった不具合が生じるからです。

塗膜形成不良はサンロードアートのクリア塗装と油性塗料を使用したフロアコーティングの相性がよくないから生じます。水系塗料を使用したフロアコーティングでは起こりません。

フローリングの変形はサンロードアート床材の基材に使用されているMDFが原因になっているようです。事前清掃において使用した水がフローリング側面から浸入しMDFに吸い込まれていく、このことがフローリングの左右が波打つなどの変形を生じさせるのです。

未だにサンロードアートへのフロアコーティングを施工不可としている会社もありますが、施工可能な会社もあります。フロアコーティングの種類などは限定されることもありますが、サンロードアートフローリングでコーティングを希望される方は、ぜひ、当社へご相談ください。

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